ワークショップ・サイン会 - イエール 2018

ワークショップ・サイン会 - イエール 2018

ワークショップ・サイン会 | 2018年2月 | イエール (南フランス・プロヴァンス)

map Hyères

2018年2月、南フランスの地中海沿岸イエール市の図書館から招待を受けて、現地の幼稚園4か所と図書館でワークショップを行いました。 絵本「Au bureau des objets trouvés おとしものあずかりしょ」が、 フランスの児童文学賞「Le Prix des Incorruptibles 2017-2018」に ノミネートされたため、今年はいつもよりもすこし多めにワークショップの依頼を受けています。 このイエール図書館も毎年ノミネート作家を招待してワークショップや講演会などを開催しているそうです。

イエールは、フランスの地図の中で見つけやすい場所にあります。 南東(地図では右下)で地中海に面し、もっとも南に突き出しているところが市の南部にあるジアン半島。そのまわりの島々がイエール諸島です。 海辺の観光地として広く知られ、ヤシの木の街路樹は南国ムードにあふれていますが、 市の北部にはダリやジャコメッティ、コクトーなど芸術家たちが創作の拠点としていた眺めの良いヴィラや、 中世の町並みが残る旧市街などがあり、芸術と歴史の町としても見どころが満載。 夏には大勢の観光客が世界中からやってくるそうです。
また、イエールは年間300日以上が晴れる「天気の良い町」だそうで、 私の滞在前半はあいにく曇天でしたが、最終日に気持ちよく晴れました。 以下は、移動中や夕方の空き時間の散歩中に撮った写真です。

イエール 2018

今回ワークショップ依頼の連絡や準備を担当してくれたのは、 イエール市図書館の児童書部門のオディールとソニア。 そして現地到着後は児童書チームが全員で手分けして、 ワークショップをおこなう幼稚園への送迎や町の案内など、 全面的にサポートしてくれました。 みなさんのチームワークと仲の良さが印象的な図書館です。

水曜の夜にイエールに到着し、木曜と金曜は市内の4つの公立・私立幼稚園でワークショップをおこないました。 先生方から、絵本「おとしものあずかりしょ」をすでにクラスで読んでくれているとうかがっていたので、 年少と年中組には絵本にちなんだワークショップ「どうぶつのおとしものを見つけよう!」ぬり絵カードづくりを。 今回、カードのイラストをリニューアルして新しい「お題」を取り入れてみましたが、 頭のやわらかい子どもたちは難なく描きあげてクリア。
子どもだけではなく、先生におどろかされることもあります。 ある幼稚園の年少組の担任の先生は、 「おとしものあずかりしょ」に登場する動物たちの毛並みのちがいを子どもたちに説明するため、 フェイクファーやたわしなどをイラストに貼って「さわる見本」を作っておられました。 あまりにすばらしい出来ばえだったので写真を撮らせてもらいました(この下の写真の、下段中央)。 先生たちの現場での創意工夫には、学ばせてもらうことがたくさんあります。

一方、年長組の子どもたちにはすこし難度を上げて、 フランス語のリーム(韻)をモチーフにした私の絵本(3月発売の新作 「Le voyage de Poucette - Suivez les rimes !(おやゆびひめのぼうけん リーム(韻)に続け!)」と 「A quoi ça rime?(なににつながるの?)」シリーズ)を もとにした「リーム(韻)を使ってカードをつくろう」ワークショップをおこないました。

イエール 2018

最終日の土曜日も、午前中に図書館で「どうぶつのおとしものを見つけよう!」ワークショップをおこない、 幼稚園児から小学生まで15人ほどが参加してくれました。 午後には図書館内でサイン会を開いてもらい、たくさんの方が来てくださったので、 すべてにサインし終わって図書館を出たのはなんとパリに戻る列車の発車時刻10分前! オディールに車で駅まで飛ばしてもらい、ギリギリ間に合いました。 じつは内心「乗り遅れてもう一泊してもいいなぁ…」なんて思っていたので、ちょっと残念でしたが…。

いつもあっという間に終わってしまう地方出張ですが、 今回も仲の良いイエール図書館の児童書チームや、 海辺の街でのびのび暮らしている子供たちが印象に残りました。 また、ワークショップの合間に自由行動の時間もいただけたので、 レストランめぐりや町歩きを楽しめたことも良い思い出になりました。 今度はぜひ、夏に来てみたい!

イエール図書館サイト(フランス語):Médiathèque d'Hyères