メディア - フランス国営放送「イェティリ」 2017

メディア - フランス国営放送「イェティリ」 2017

フランス国営テレビ : 幼児向け番組 | 2017年9月

media - France5 Yétili

リプレイ:Au budeau des objets trouvés - Yétili saison2 épisode 26

ブックフェアやワークショップの報告ではないのですが、こちらでご紹介します。
フランス国営テレビの子供向け番組「イェティリ」で絵本 「おとしものあずかりしょ」が 紹介されることになり、2017年9月、撮影のようすを見学させていただくことができました。
「イェティリ」はどこかの町の児童書店の大きなマスコット人形。 じつはお客さまがいなくなるとこっそり動きだし、 遊びにやって来たネズミの姉弟ニナとレオンに 店内の絵本を1冊読んであげるのが日課です。

撮影はパリ郊外の大きな倉庫のような建物の内部にあるスタジオでおこなわれていました。 中には児童書店がまるまるセットとして存在していて、 このまま町に運んでもすぐに営業できるのでは?と思うほど、 細部まで作りこまれていました。 店の壁に貼られている広告ポスターや本棚に置かれている絵本などは、 美術大学に依頼して学生に制作してもらっている架空の商品なのだとか。 スタジオには50人以上のスタッフが常駐しているそうで、 撮影だけではなく小道具制作などもその場でおこなわれていました。

私が見学させていただいた日は、 おもに本のページをめくるイェティリの手のアップが撮影されました。 声優さんの声とページをめくる手とカメラのズームのタイミングが ピッタリ合うまでなんどもやり直し、 スタッフ全員が納得する結果を得られるまで追求するようすが印象に残りました。
また、別の日に撮影したという、パペット人形の役者さんによる2匹のネズミたちの 撮影風景の映像を見せてもらいました。 書店のセットをよく見ると、テレビには映らないベンチや壁などのあちこちに穴が開いていたのですが、 床下や壁裏にかくれているパペットの役者さんたちがそこから手を出してネズミを動かすのだそうです。 役者さんたちは子ネズミの素早い動きを表現するためいそがしく這いまわり、 しかも自分の目でネズミたちを直接確認することができないため 暗がりの中で手元の小さなモニタだけを手がかりに想像で動かします。 ほのぼのとした番組の舞台裏で展開されている「中の人」たちの職人的な仕事ぶりに、 ホレボレしてしまいました。

スタジオには食堂も完備されており、 昼休みにはみなさんと一緒に日替わりランチをいただきました。
職種は違えど制作に関わる者として、とても勉強になった1日でした。 なお、撮影された映像は2017年末に放映されました。